需要があるからこそ、積極的な入札が行われ、大きな成果を上げることができるのだ。
フィリップス社のジュネーブ・ウォッチ・オークションXIIIは、230点以上の出品があり、まさにイベントと呼ぶにふさわしいものだった。このオークションは、週末の両日、2つのフェーズに分けて開催された。そして、彼らはお金を使う準備ができていたのだ。
他のニッチな分野(車やNFTなど)で2021年のオークション活動が活発化したのに続き、フィリップス社は、出品された全てのロットを販売することができた。そのほとんどがエスティメートを上回り、大成功を収めた。
オーデマ ピゲは今回のオークションで、ほとんど同社のリファレンスだけで結果を残せるのではないかと思うほど好調だった。特に興味深かったのは、ローズゴールドとチタン製のロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー Ref.25636、スケルトンダイヤルだ。1996年に製造されたこのモデルは、ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダーの初期の中でも後年バージョンのひとつだ。
先日、僕は、オーデマ ピゲが80年代初頭に生産を開始した閏年表示のないQPについて、かなり深い考察を書いた。Ref. 25635は、合計264本の限定生産で、ツートンカラーのバージョンはわずか49本しかない。このロット43は、12万スイスフランのハイ・エスティメートを上回る36万5400スイスフラン(約4410万4000円)を記録した。サザビーズが2019年6月にイエローゴールドの個体を9万3750ドルで販売されたことを考えると、近年までやや日の目を浴びていないように思えたロイヤル オーク QPの初期リファレンスとしては大躍進の結果となった。